『ちはやふる』第3巻はここがポイント丨憧れ、嫉妬、友情、愛情は全部同じもの
強くなってあいつを待とう―。
新との再会を信じ、そう誓い合った千早と太一。
二人の情熱に導かれた新たな仲間とともに瑞沢高校かるた部がいよいよ動き出す!
団体戦での全国大会出場を目指し、強豪ひしめく東京都予選にのぞんだ千早たちは!?
競技かるたに込められた千早たちのひたむきな思いが響きあう第3巻!!
末次由紀『ちはやふる』第1巻と第2巻はこっちを読んでね
『ちはやふる』は少女マンガの恋愛的側面よりも、少年マンガ顔負けの「努力・友情・勝利」がすごく強い作品なのがわかります😍
高校3年間という長いようで短い青春を47巻(令和3年7月3日現在)まで描いている末次由紀さんは天才だと思う。
『ちはやふる』第3巻はここがポイント丨憧れ、嫉妬、友情、愛情は全部同じもの
『ちはやふる』高校1年生編はここがスタート!瑞沢高校かるた部ついに始動
ついに瑞沢高校かるた部が発足だね!
小学校の時戦った「肉まんくん」に、呉服屋の「かなちゃん」、勉強の虫「机くん」が加わり、いよいよチームで戦うことになる。
千早が「チームで戦う」ってことにこだわってるのは、小学生のときに千早・新・太一で戦った原体験によるものだと思う。それくらい、当時の千早には影響を与えてたんだな🤔🤔
もちろん、太一にとっても新にとっても。
そんなこんなあって瑞沢高校かるた部は、太一の家で一泊二日の合宿練習を行うことになったのだけど・・・・
千早「そうだ。みんあが来る前に太一の部屋見せてよ」
太一「え?」
千早「まえよく一緒にゲームして遊んだじゃん。またでかいテレビとか買ってもらってんじゃないの――?見せて見せて」
太一「あのな、男の部屋なんかポンポンはいるもんじゃねーし、おれだって入れねーよ」
太一、めちゃめちゃ異性であることアピールしてる!!アピールというか、異性であることを意識している!!
いや、むしろ当たり前なのだけどね。千早が脳内小学生から変わらなすぎる(笑)
「かるた」しか見えてないのだよね〜。新に対しても、太一に対しても、全然「恋愛」とかない。
太一は2巻で新に再会したことで、エンジンかかったのかな?!
このままじゃ千早をほんとに取られるって思ったんだろうなぁ。
このあたりのコマは、千早も太一も無言だし心の声(セリフ)もないから、読者が2人の気持ちを想像するわけだけど、末次先生の表現って本当に素敵😍😍
そして合宿の日はちょうど千早の誕生日ということで、みんなでお祝い!
和気あいあいとした雰囲気の中で、太一のもとに知らないアドレスからメール・・・・
それを見た太一はドキッと・・・・
太一 この前はごめん。千早に誕生日おめでとうって伝えて。
綿谷 新
3人を結ぶ絆は「ちはやふる」という一句にあって、それは真っ赤な恋の歌だけど、3人がそれぞれ感じているは全く別なんだよね。
このあたりの繊細さって、言葉では表現したくない。感じていたい。
- なんで新は、千早の誕生日を覚えていたの?
- なんで新は、千早本人じゃなくて太一に送ったの?
- 太一はどんな気持ちで、新のメールを千早に見せたの?
- 千早は新からのメールを読んで「最高の誕生日だ」って思ったのはなんで?
これは、「恋」という矢印だけで3人を結ぶと見えなくなるよね。
『ちはやふる』が教えてくれる丨熱くなりすぎて周りが見えなくなることあるよね
瑞沢高校かるた部として始動して、初めての大会にも5人で出場!
とはいえ、かなちゃんと机くんはまだまだ初心者。千早・太一・肉まんくんとは違う想いがあるのだよね。
かなちゃんも机くんも、初心者だからって「負けたくない」と感じてるし、チームの全員がそれぞれの勝利を願ってる。
でも、当然すれ違いは起きるもので・・・・
机くん「全国大会に出るための数合わせなんだよ。だれでもよかったんだ。大江さんじゃなくても僕じゃなくても」
千早「ち…違うよ机くん…」
机くん「違わないよ全国大会に出たいんだろ?全国大会で会いたいやつがいるんだろ!?そのことばっかり考えてるんじゃん」
そうだね〜。正直、瑞沢高校かるた部の発足は「数合わせ」って思われてもおかしくないんだよね。もちろん、千早にそんな気持ちは持ってないのだろうけど。
まだまだ「チーム」になれてない。
熱くなりすぎて周りが見えなくなっちゃうっていう、千早の悪いクセが…😔😔
でも!!!しかし!!!!!
太一がもうイケメンすぎる。え、彼まだ高校1年生だよね?
瑞沢高校かるた部の部長として、みんなの気持ちを汲んで、チームをまとめあげる。
千早がいたから瑞沢高校かるた部は発足したけど、太一がいたから瑞沢高校かるた部は走り続けることができるんだよね。
千早と太一の2つの車輪は、お互いの足りないところを補い合って、それが何倍もの力になる。素敵すぎる✨
『ちはやふる』第3巻のまとめ丨誰かが苦しい時は、誰かが支える
試合を通じて「チーム」になっていく瑞沢高校かるた部。
決勝戦の相手は全国大会常連校の格上チーム。
千早も苦しい。肉まんくんも苦しい。誰だって苦しい。
チームだから、仲間だから「助け合って」いくんだ!
かるたに懸ける想いは、5人がみんな違うし、みんな違っててもいい。
想いがある分、挫折することも当然ある。
でもそこで這い上がって、頑張れるかが大切なんだ。
スマートにかっこよくなく、泥臭くても勝ちたい想いがある。
本当に少年マンガ顔負けの「友情・努力・勝利」を繊細に描く作品だ☺️
第4巻もわくわく。